先日、SIMカードとディスプレイが内蔵された高機能クレジットカード「Wallet Card」なるものが報道された。
クレジットカードにSIMを組み込み、通信機能を持たせたことにより、様々なデータをクレジットカード内に格納することができる。物理的なカードは1枚だが、デビットカード、クレジットカード、キャッシュカードなどに使うことができ、データをダウンロードするだけでカードが使えるようになるという。
多くの人は、クレジットカードも複数、その他キャッシュカード、ポイントカード、メンバーズカード等入れるととても財布の中には入り切らないくらい、という状況ではないだろうか。筆者も常にこれらがまとまらないかどうかと思っている。
このWallet Cardには、米国Dynamics社の技術を活用している。同社は2010年に米国で開催された、ベンチャー発掘イベント「DEMO」の優勝企業である。筆者はたまたまこのイベントに参加しており、先進的な技術だな、と思った印象がある。
だが、よくよく考えてみれば、今はスマートフォンがある。8年前ならともかく、現在はそれなりに普及していて、通信機能もデータ格納スペースもある。そうした意味ではいまさらカードもなのだろうか、というところなのだが、スマートフォンでのこうしたサービスも、普及という面ではこれからというところだ。
ハードルの一つは、ある調査によれば、セキュリティということだが、実際にはセキュリティ面よりもやり方が面倒などの方が大きいのでは、という指摘もある。
おサイフケータイなどスマートフォンを利用したサービスの利用がさらに拡大、普及し、持ち歩くカードが減ってくれればいいと思うのは筆者だけではないだろう。
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滝田 辰夫(退職)の記事
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