2020年10月29日掲載 InfoCom T&S World Trend Report

ICT雑感:私を競馬に連れてって!



初めて馬券を買ったのが、社会人になった年にミスターシービーが三冠を達成した菊花賞の時、渋谷のウインズ(場外馬券売り場)でした。職場に悪い先輩がいて教えられたのがきっかけです。

それ以来週末の楽しみとして何となく続けていて、ファンとしてのキャリアは一応三十数年になります。競馬は単なる賭け事ではなく、スポーツであり血統ドラマであり推理ゲームでもありますが、やはり馬券あってこその楽しみで、人間が作り出した最高の遊びの一つであると言えるでしょう。

競馬を覚えた頃からこれまでの間、馬券の買い方や情報へのアクセスの仕方など、その楽しみ方も相当変わりました。かつての競馬スタイルといえば、競馬新聞を片手に耳に赤鉛筆を挟んだオッサンが大声で叫びヤジるという鉄火場的イメージで、馬券を買うのも競馬場か場外に出かけるものでした。

今は、「PAT」と呼ばれる在宅投票システムで馬券を購入する人が圧倒的に多くなっています。もう30年近い歴史のあるシステムですが、導入当初は電話回線に専用機器をつないで使う方式だったのが、ネットでパソコンから買えるようになり、今ではスマホでどこからでも馬券が買えます。観戦スタイルもバブル期のオグリキャップブームを経て、若い世代を中心にライトでスマートなかたちがかなり浸透してきました。

また、レース映像や馬券検討のデータ・情報の面でも、グリーンチャンネルという専門テレビ局のほか、ネット上でも専門家の予想や調教映像など各種の情報にアクセスできるようになりました。そのうち紙の競馬新聞はなくなるかもしれないですね。

あと、競馬の世界も国際化が進んで、日本の馬が海外で活躍するのもごく普通のことになり、海外のレースの模様もリアルタイムで観ることができます。

今年は新型コロナの流行で、各種スポーツやレジャーが軒並み影響を受けていますが、そんな中にあって競馬は、競馬場やウインズへの入場こそ制限されていますが、レースそのものは無観客でずっと継続しており、馬券の発売もネットで行われています。

(注)10月第2週から中央競馬では限定的に指定席への入場を再開しましたが、広く一般の観客が観戦できるようになるのは、まだまだ先のようです。

自宅に居ながらにしてレースを観て(専門チャンネルがこの間無料放送を実施中)、馬券を買うことができるということで、売上げはむしろ伸びています。バブル崩壊後苦境に喘いでいた地方競馬も、息を吹き返しているようです。それを支えているのが、先に述べた情報化の進展であることは言うまでもありません。

ところで、5Gの活用やNTTが進めているIOWN構想の実現などによって、スポーツの観戦や中継も大きく変わると言われていますが、競馬ではどんな変化が起きるでしょうか。多角的なカメラアングルで勝負どころの最終コーナーの駆け引きをリアルに実感したり、パブリックビューイングで海外のレースを臨場感たっぷりに堪能したりできる時代が来るんでしょうか。楽しみですね。

とはいえ、古くからのファンとしては、やはり競馬の醍醐味は本物のライブ観戦にあるということは強調したいと思います。もっぱらテレビでレース中継を見ながら時々馬券を買うというのがもう何カ月も続いていて、本物の馬を見ていないので、馬の姿かたちを忘れてしまいそうです。

GⅠレースのファンファーレ生演奏と観客の拍手や掛け声、サラブレッドが躍動し大地を叩く蹄音の迫力、ゴール前の手に汗を握る瞬間(と直後の落胆)。そしてパドックで馬の落し物の臭いを嗅ぐ、あぁ競馬場に来たんだなぁ……と感慨に浸るのです。最近だと、オルフェーヴルの三冠達成とラストランの有馬記念をこの目で観たのが忘れられないですね。

あぁ、早くまた生の競馬を観に行きたいなぁ! 競馬は一人でも楽しめますが、友人やパートナーと、あるいはグループで、ときに飲み食いもしながら、当たった外れたと騒いだりというのも楽しいので、表題のように呟いてみました。

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