2021年11月11日掲載 ITトレンド全般 InfoCom T&S World Trend Report

メタバースの概要と普及に向けた要因



はじめに

新型コロナウイルスの影響により、企業でリモートワークやウェブ会議が一般的になり、DX化が進む中、我々の社会では急速にデジタル化が進展している。

このようなデジタル化の流れの中で注目されているキーワードの一つに「メタバース」がある。これは、3次元の仮想空間を作り、その空間上でコミュニケーションなどを実現するものだ。近年では、米Facebookや米Microsoftといった巨大IT企業のみならず、国内外の多様な企業がこの「メタバース」の導入に積極的に動いている。

筆者が「メタバース」に注目する理由は、上述したFacebookやMicrosoftがこの分野に乗り出すからという理由のみならず、技術の発展によりリアルな世界とデジタルの世界が融合し、多様な分野へ影響を与えると考えるからだ。

本稿では、メタバースに関する概要、現在想定されている利用目的、この市場に参入を表明する企業を概説する。

メタバースとは?

具体的な議論を行う前に「メタバース」とは一体どのようなものを指すのか定義しておく。筆者がメタバースに関する議論を掲載する文献やウェブサイトを調査した限りにおいては、現時点で一義的な定義はないが、例えば2021年7月に経済産業省が公開した「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」(以下、「報告書」)においては、「多人数が参加可能で、参加者がアバターを操作して自由に行動でき、他の参加者と交流できるインターネット上に構築される仮想の三次元空間」と定義されている。

この定義を見ると、本誌の読者であれば米リンデンラボが提供する「セカンドライフ」を思い出すのではないだろうか。上述した定義によれば「セカンドライフ」も「メタバース」の一つであるといえる。そういった意味では「メタバース」が実現しようとするものは全く新しいものではなく、以前からある概念であるといえる。それではなぜ、最近になり「メタバース」が注目されるようになったのか。

再注目のきっかけは米大手IT企業の動き

メタバースの概念が再度注目されるようになった理由については、複数あると考えられるが、筆者はFacebookの動向が大きな影響を与えたと考えている。

Facebookは2017年の4月にFacebook開発者カンファレンスF8において、同社の今後10年間の注力分野(10 Year Roadmap)を公表している。同カンファレンスでは10年後に注力する分野として、コネクティビティ、AIそして、VR/ARの3分野が取り上げられている。3番目のVR/ARの分野ではVRヘッドマウントディスプレイ等を開発するOculus VRを2014年3月に買収するなど、Facebookは以前からVRを活用したコミュニケーションのプラットフォームを構築する狙いを持って動いてきていた。これに加えて、2021年7月にはCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、自社をソーシャルメディア企業からメタバース企業に転換することを公表し、大きくメディアに取り上げられた。無論、後述するようにこの発言の前から、メタバースに取り組む企業は複数存在していたので、Facebookが初めてということではないが、巨大なユーザーベースを抱えるFacebookが仮想空間上に新たなプラットフォームを構築するということが話題となり、メタバースという言葉の認知度が大きく上がったと考えられる。また、Microsoftも時期を同じくして「法人向けメタバース」について、決算発表で説明を行ったことで、さらにメタバースが大きな注目を集めることになった。

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※この記事は会員サービス「InfoCom T&S」より一部抜粋して公開しているものです。

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