2021年4月27日掲載 ITトレンド全般 InfoCom T&S World Trend Report

ICT雑感:出かける時は忘れずに。



今年も満開の桜を見るために3月最後の週末近所の公園へ出かけた。地球温暖化のせいなのか、徐々に時期が早まっているような気もする。緊急事態宣言は解除されたものの、コロナ禍が終息しない中での花見は味気ない。マスクをして、なるべく他の人と近づかないように歩きながら眺めるだけだ。それでも、桜並木の通りを歩いていると、春が来たんだなぁと実感する。

そして、少なくない数の人が、スマートフォンを構えて桜の写真を撮っている。首からカメラをぶら下げている人もいるが少数派だ。最近はスマートフォンのカメラの性能が格段に良くなって、安いコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)なんかよりもずっと良い画質でインスタ映えする写真が撮れる。出かける時には必ず持っていくスマートフォンがあれば十分ということか。

財布がなくてもスマートフォンさえあれば支払いもできる。急速に普及してきた(バー/QR)コード決済に加えて、電子マネーが利用できる機種を持っている人は、決済だけでなく電車やバスにも乗っている。財布を持っていなくて急に現金が必要になっても大丈夫。いくつかの銀行では、キャッシュカードがなくてもスマートフォンにアプリさえ入れておけば、ATMで現金を下ろせる。

ますます、出かける時はスマートフォンが必携、となるのだが、外出先で困るのがスマートフォンのバッテリー切れだ。外出先でバンバン写真を撮ってネットに上げたり、電車に乗って手持ち無沙汰で動画でも観たりしようものなら、急速にバッテリーが減っていき焦ることになる。

そこで、多くの人がスマートフォンと一緒に持ち歩いているのがモバイルバッテリーである。モバイルバッテリーも、この数年で劇的に進化して、小型軽量化、大容量化、低価格化が進んでいる。最新のiPhone 12が4回も充電できる、20000mAhを超えるものも、3千円程度で売られているから驚きだ。

このモバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、なかなか世代交代が進まない。保護回路が付いているので通常は心配する必要はないものの、落下させて内部で短絡するようなことがあると、容易に発火したり爆発したりする。数年前には、あるスマートフォンのバッテリーの発火が続き発売中止になったこともあった。そこで液体有機溶媒を使う電解質を固体にして、より安全で大容量化を目指す次世代のバッテリーとして期待を寄せているのが全固体電池だ。日本は開発の最先端をいっているが、まだ一般的なレベルでの実用化には時間がかかりそうではある。

バッテリーの安全性と言えば、2019年2月1日から、PSEマークが付いていないモバイルバッテリーの国内での販売が禁止となった。これをご存知の方には、PSEマークが付いているんだから安全だろうと思う方も多いと思う。しかしながら過信は禁物である。PSEマークのPSEというのはProduct Safety Electorical Appliances & Materialsの略で、電気用品安全法で定められた一定の技術基準に適合したものに付けるマークなのだが、このマークにはひし形と丸形の2種類がある。モバイルバッテリーは丸形のマークで特定電気用品以外の電気用品に付けられるのだが、ひし形のマークが付く特定電気用品が表示にあたって第三者機関による適合性検査の必要があるのに対して、丸形のマークは事業の届出をした上で自主検査で技術基準を満たせば表示できるからだ。PSEマークが付いていても、あまりに安い怪しげな商品には手を出さない方が良いかも知れない。

ちなみに、160Wh(約42000mAh)を超えるモバイルバッテリーは飛行機に持ち込めず、100Wh(約27000mAh)を超えるモバイルバッテリーの機内持ち込みは2個までに制限されているので要注意だ。

ところで、表題の「出かける時は忘れずに。」というフレーズを聞くと、筆者の世代くらいの方なら必ずあるものを思い浮かべると思う。実はある会社の登録商標だったりもする。さて何だろうか。

※この記事は会員サービス「InfoCom T&S」より一部無料で公開しているものです。

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