2023.4.27 法制度 InfoCom T&S World Trend Report

サイバネティックアバターをめぐる法律問題の鳥瞰(上) 〜人格権を中心に〜 「サイバネティック・アバターの法律問題」 連載1回

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1. はじめに

メタバース(仮想空間)が「ブーム」だった時代は終わった。しかし、それはメタバースやアバター1の問題を論じる必要がなくなったことを意味しない。ムーンショット研究開発目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」においては、人々が物理空間におけるロボットやメタバース上のアバターを利用し、その身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張し、身体、空間や時間等の制約から解放される社会を目指す研究が行われている。

このような未来において、いかにロボットやアバターを安全かつ信頼して利用できるようにするか、という問題は、単なる技術上の課題ではなく、倫理、法律そして社会への影響(ELSI)の重要な課題である。慶應義塾大学の新保史生教授は、メタバースと現実空間双方で自分の分身であるサイバネティック・アバター(CA)を利用して活動するにあたって遵守すべき社会規範や法的問題を扱う法分野である「アバター法」を提唱する見解を示し2、上記ムーンショット研究開発における「アバターを安全かつ信頼して利用できる社会の実現」という研究開発プロジェクトを立ち上げて研究開発に着手している3

ここで議論の対象となっているCAとは身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念で、Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものとされている4。上記で述べた2050年に期待される将来像を実現する上では、我々が、物理空間かメタバースかを問わず、その分身や能力拡張技術を自由自在に操ることができる必要があるところ、CAはまさにそのようなものを指している。CAはロボットなど物理的アバターからなる有体物CAとバーチャルな世界で完結するコンピューターグラフィックスアバターやソフトウェアエージェント等の無体物CAに区分されている5

新保教授は、上記プロジェクトにおいて、社会でCAを安全かつ安心して利用するためのCA安全・安心確保基盤の実現を目指して包括的なELSI研究(E3LSI研究)に着手しているところ、筆者も、同プロジェクトに従事し、慶應義塾大学特任准教授として、CAと法実務、とりわけ、CA社会において出現し得る諸問題が現行法及び実務上どのように評価され、それがどのような課題を生むのかについて研究を進めていることから、本連載を開始することとなった。連載開始にあたり、新保教授が「ロボット法をめぐる法領域別課題の鳥瞰」6でロボット法に関する課題を鳥瞰していることから、これに倣ってCAをめぐる法律問題を鳥瞰したい。具体的には、人格権(本号)、個人情報保護、知財、プラットフォーム等の個別問題を論じた上で、その他公法、民事法及び刑事法の論点等(次号)を検討する。

なお、CAはメタバース上のアバターを含む以上、本稿で取り上げる問題はメタバースの法律問題7とも一定程度共通している。しかし、ロボットの論点や、一人が多数の(自律的)アバターを操る場合の問題8等を含む点で、いわゆるメタバースよりも広い範囲を問題とする。逆に、いわゆるブロックチェーンの問題等、CAとは直接関係のないメタバースの問題を対象としないという意味でそれよりも狭い9

2.総論的問題

CAにおいても、メタバースに関して提示された「現実世界優先の原則」、即ち、仮想空間に閉じていない以上は、現実世界の政策判断(ないしは価値判断)が、仮想空間の規律に際しても優先して適用されるという原則10は重要な総論的問題である。特に、CAではロボット等の物理空間における問題が加わることから、現実との関わりが深まるCA社会においては、法律の介入の必要も高まる11。しかし、現実世界の法律を適用するとしても、CAのような技術を想定していない現行法とその解釈をそのまま適用するのではなく、解釈論や立法論を展開する必要性はむしろ高い。また、CAが何らかの問題を発生させるとしても、例えば技術的対処によって対応することができれば12、法律による介入という手法は必ずしも唯一の解決策ではないだろう。加えて、将来的な技術発展に伴い、仮想空間上の体験を現実空間上の体験と混同するような事態も生じ得るところ13、このような場合にも備えた解釈論・立法論を準備しておくべきだろう15

3.人格権

(1)はじめに

CAと関連する人格権としては、名誉権(名誉感情侵害を含む)、プライバシー、肖像権、氏名権、アイデンティティ権等が問題となる。

(2)CAと「中の人」の関係―特定・同定

ここで、例えば完全に架空の存在である「アニメのキャラクター」に対して誹謗中傷等をしても、少なくとも従来の一般的議論から人格権侵害を認めることは難しい15。その意味で、CAというのがそのようなものであれば、人格権の問題は生じないとも思われる。だからこそ、そのCAを操作したり分身として利用したりする、いわゆる「中の人」とCAの関係が問題となる。

原田は「バーチャルYouTuberの人格権・著作者人格権・実演家人格権」16でVTuberと「中の人」の関係を①あくまで生身の人間(YouTuber)がキャラクター・アバターの表象(「ガワ」とも呼ばれる)をまとって/借りて動画配信を行っているタイプと、②キャラクターこそがVTuberの本体であって、生身の人間がその背後にいてキャラクターを操作しているわけではない(いわゆる「中の人」はいない)という設定(あくまで建前ではあろうが)を遵守するタイプに分類した上で、①をパーソン型、②をキャラクター型として整理している。

そして、異論はあるものの、判例上いわゆる伝播性の法理の応用として当該表現が被害者について述べていることを特定できるだけの背景知識をもっている読者が存在すれば、当該読者から不特定多数に伝播する可能性がある限り、被害者が特定されたとみなしている17

そうすると、それが誰かは秘匿されているが、特定の中の人がいることを所属企業の関係者、収録スタジオスタッフ、協賛企業スタッフ等の関係者が(その本名はともかく)認識しているパーソン型VTuberについて、少なくとも関係者は「あの人」だと分かる以上、当該VTuberの名称を利用した誹謗中傷について「中の人」への名誉毀損等の人格権侵害を認定できる18。また、特に、VTuberについては、動画配信活動自体がペンネームで書籍を刊行することと同様の社会活動19として、「中の人」を公表していなくても、人格権侵害からの保護を認めるべきである20。加えて、具体的な状況によってはキャラクター型でも「中の人」への権利侵害を認めるべきであり、例えば、生命身体への害悪の告知であれば中の人に向けられたものだと考えるのが自然だ21という議論も存在する22。但し、例えば複数人が関与し、誰の人格を示しているのかが不明な場合23には、同定可能性が深刻な問題となり得るところである24

このような議論は参考にはなるものの、パーソン・キャラクターという類型はあくまでも模式的なものであって、実際にはその中間的な存在も多く、また、いずれもその人が仮想空間で活動する上で生み出した分人というその人の人格の一部であり、単にその分人が現実空間の本人とどこまで似ているかの相違だけの問題という考え方もあり得る25

このような議論との関係で、中崎26は以下のように整理をする。

本人(中の人)とアバターの対応関係の類型

一人の本人が、一つのアバターをかぶる場合(単発、継続的)

一人の本人が、同時に複数のアバターをかぶる場合

複数の本人が、一つのアバターをかぶる場合(同時、交替制)

アバターの成り立ちと本人(中の人)の容姿との関係の類型

現実世界の本人の容姿を元にアバターを作成するパターン

現実世界の本人の容姿と切り離されたアバターを作成するパターン

アバターに対する本人(中の人)の意識の類型

アバターを現実世界の中の人自身を拡張した存在とする捉え方

アバターを現実世界の中の人自身と切り離された存在とする捉え方

メタバースと現実世界の距離感の影響

 

このような整理は、特定・同定の議論をさらに精緻化する上で有益な枠組みと言えるだろう。

(3)名誉権

VTuberの名誉毀損及び名誉感情侵害に関しては現に多数の誹謗中傷事案が生じ、議論が始まっている27。例えば、にじさんじを展開するAnycolor社及びホロライブを展開するカバー社は2022年12月5日に共同声明文28を発表し、誹謗中傷問題に警鐘を鳴らしている。

裁判例を踏まえると、同定可能性が認められるかという点が主要な問題となっている。名誉感情侵害に関し「アバターの表象をいわば衣装のようにまとって、動画配信などの活動を行っているといえる」と判示した裁判例29は、原田前掲論文を参照したと思われる30が、VTuberへの誹謗中傷がアバターの後ろにいる「本人」への誹謗中傷とみることができる場合は十分にあり得る。

加えて、VTuberは自ら積極的に発信をしていることから、かかる発信に対する一定の批判・論評が生じることはあり得る。そして、YouTuberに関する裁判例が積み上がっている31ところ、自らが公表した動画の内容について一定の論評が生じることは甘受すべき場合があるがそれを超えた人格攻撃については、YouTubeで動画を公表しているというだけの理由で甘受義務が生じるものではないと評することができると思われる32

以上はVTuberに限定した誹謗中傷の問題の鳥瞰であるが、この議論をCA全体に拡張する上では一定の共通点と相違点がある。共通点としては、例えば、ロボットに対するものでも、複数人の操作者が例えばカフェで働くロボットを一緒に操作する場合の同一性の問題33等はVTuberと共通するだろう。相違点としては、例えば専ら個人的チャット等のためにアバターを操作している人は、特に動画等作品を発表し、論評の対象に供しているVTuberとは同定可能性の点や、一定範囲の意見・論評を受忍すべきか等において異なる可能性があるだろう。

その他、ディープフェイクによる名誉毀損等も問題となり得る34

(4)プライバシー

プライバシーについては、まずはCA以外でもいわゆる「匿名アカウント」全般で問題となる「中の人」を公開することによるプライバシー侵害が問題となる35。この点は、完全匿名の場合はもちろん、そうでなくても自ら積極的に公開した「場」以外において公開する36こともプライバシー侵害になり得る。石井は「サイバネティック・アバターとプライバシー保護を巡る法的課題」37において、CAが用途に応じて使い分けられるのが自己のイメージコントロール権を行使する行為だとする38

また、なりすましは重要な問題である。石井は「アバターのなりすましを巡る法的課題―プライバシー保護の観点から」39において、①他者の環境内で第三者に気付かれない方法を用いて、本人のアバター表示を偽る行為、②改変した本人のアバター表示を第三者と共有する行為、③他者が本人を揶揄するために、その氏名と外見を用いて自己のアバターを作成し、仮想空間上で利用する行為の3類型に分けて論じている40

加えて、「インターネット上の人格」のプライバシーも、特にアバター社会では重要な問題となる。例えば「お砂糖」とも呼ばれる恋愛関係等がメタバース上で成立することにより、例えば「その人がメタバース上で行う行為」の中にもいわゆる「宴のあと」事件41のプライバシーの要件を満たすことが増えている。そのような場合において、仮に個人的な行為しかメタバース上で行っていない匿名アカウントであっても、プライバシーの保護を認めるべき場合があるように思われる。

CAとしての活動の様子を同意なくキャプチャー(撮影等)することが直ちにプライバシー侵害になるとはいえないが、その内容によっては問題が生じ得る。この点については、リアルワールドにおけるカメラ画像に関するものであるが、カメラ画像利活用ガイドブックver3.042や犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会報告書43等の議論は一定程度以上参考になるだろう44

(5)肖像権

写真撮影した肖像のみならず、イラスト化したアバターについても、それが本人の肖像を描写したものといえる限り、本人の人格権としての肖像権が及ぶものと解される45

では、実際の肖像に類似していなければ保護されないのだろうか。この点については「VTuberにとって、CGアバターは『服』のようなもので、アバターというファッションを全身にまとっているという感覚にも近い。本人の実際の姿を表しているか・似ているかではなく、本人を識別・特定するものが、その人の『肖像』であるという理解に立てば、VTuberが用いるCGアバターが、『中の人』の実際の姿、『肉』(体)の顔をまったく反映していなくても、彼女・彼の『肖像』と認めることに障害はないはず」とする原田の「バーチャルYouTuberの肖像権─CGアバターの『肖像』に対する権利─」46が参考になる47

インターネット上にその肖像を公開し続けていることから精神的価値が劣後するという議論もあるところ48、少なくとも権利放棄・縮減を意図しないまま多くの人の肖像がインターネット上に公開されていることを踏まえると疑問がある。

なお、第三者が無断で声を利用する行為について「声の肖像権」侵害を検討する議論もある49

(6)氏名権

最高裁は「人は、その氏名を他人に冒用されない権利を有する」50として指名権を定める。通称にも保護が及ぶとする裁判例51からは、CAの利用者が特定の通称名(VTuberとしての名称やアカウント名)を利用している場合には、氏名権による保護を得ることができる可能性がある52

(7)アイデンティティ権

CAのなりすましには大きく分けて2つの類型がある。1つは、リアルワールド上の特定の人物そっくりのアバターや名前を使う場合、もう2つはメタバース上の特定のアバターとそっくりのアバターや名前を使う場合である53

その場合には、他者から見た人格の同一性を侵害されない権利たるアイデンティティ権54も問題となる可能性がある55

(8)パブリシティ権

伝統的にはキャラクターに対するパブリシティ権が論じられてきたところ、ピンクレディ事件判決56はパブリシティ権が人格権に由来するとしており、ギャロップレーサー事件57が物のパブリシティ権を否定した。このことを踏まえ、キャラクターのパブリシティ権を認めるためにはキャラクターに法人格を認め、そこにパブリシティ権を認める必要がある等の立法論の範疇で議論されてきた58

しかし、VTuber等のCAには「中の人」がいることが多いところ、「仮想空間におけるアバターの肖像等も、その背後の自然人を識別する情報と解し得る場合には、パブリシティ権による保護の対象となり得るように思われる。」59として、VTuberの肖像等が特定の人に帰属すると言える場合に、当該権利者のパブリシティ権を問題とする余地が議論されている60

実際、調査官解説も本人と似ている動物の図柄が需要者にとって本人を識別するものとして著名であればこれも肖像等に含まれるとする61

但し、パブリシティ権が問題となるのは、「専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合」に限られる62。したがって、例えば、企業が芸能人の肖像を再現したアバターを無断で使用して、仮想空間内の店舗において宣伝活動をさせるような場合と個人が自己の趣味で“推し”の芸能人の肖像を再現したアバターを使用した場合を区別する必要性が提案されており63、どの範囲の行為がパブリシティ権侵害となるかはさらに議論が必要であろう64

(9)その他

アバターを操作して笑顔になるよう表示することでクリエーティブな発想が多く出てくるという実験結果がある65が、それはある意味で他者の感情や選好を操作できるということであり、このような問題も今後重要になってくるかもしれない。

[次号に続く]

本研究は、JSTムーンショット型研究開発事業、JPMJMS2215の支援を受けたものである。本稿を作成する過程では慶應義塾大学新保史生教授、情報通信総合研究所栗原佑介主任研究員及び慶應義塾大学斉藤邦史教授に貴重な助言を頂戴し、また、早稲田大学博士課程杜雪雯様及び早稲田大学修士課程宋一涵様に脚注整理等をして頂いた。加えて、T&S編集部には詳細な校閲を頂いた。ここに感謝の意を表する。

  1. アバターの1類型であるVTuberについては松尾剛行「プラットフォーム事業者によるアカウント凍結等に対する私法上の救済について」情報法制研究10号(2021年)66頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/alis/10/0/10_66/_pdf/-char/ja>(2023年4月5日最終閲覧、以下同じ)において、筆者が代理人として関与した最初期のVTuber裁判を取り上げている。
  2. 新保史生「サイバネティック・アバターの認証と制度的課題」日本ロボット学会誌41巻1号(2023)18-19頁
  3. 国立研究開発法人 科学技術振興機構「ムーンショット型研究開発事業 目標1 研究開発プロジェクト アバターを安全かつ信頼して利用できる社会の実現 プロジェクト紹介」
    <https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/15_shimpo.html>
  4. 内閣府「ムーンショット目標1―2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現―」
    <https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub1.html>
  5. 新保史生「サイバネティック・アバターの存在証明―ロボット・AI・サイバーフィジカル社会に向けたアバター法の幕開け―」人工知能36巻5号(2021)570-571頁
  6. 新保史生「ロボット法をめぐる法領域別課題の鳥瞰」情報法制研究1号(2017)64頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/alis/1/0/1_64/_pdf/-char/ja>
  7. 書籍としては、関真也『XR・メタバースの知財法務』(中央経済グループパブリッシング、2022)及び中崎尚『Q&Aで学ぶメタバース・XRビジネスのリスクと対応策』(商事法務、2023)が既に刊行されている。本稿で別途引用したものの他、萩田紀博「メタバース動向から見たムーンショット目標1における社会・経 済・法・倫理の課題」情報通信政策研究6巻1号(2022)61-74頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicp/6/1/6_61/_pdf/-char/ja>、増田雅史ほか「[座談会] メタバースを語る」法セ2023年2月号4頁 、桑野雄一郎「メタバースと著作権」NBL1214号(2022)1頁、斎藤創=浅野真平「多くの論点や留意点に直面するメタバース空間の法律適用:国境なきメタバース内の金融取引にどの国の金融規制が適用される?」金財73巻38号(2022)34-37頁、関真也「メタバースと著作権法(第3回)現実環境のメタバースにおける再現とメタバース環境の二次利用」コピライト739号(2022)55-61頁、関真也「メタバースと著作権法(第4回)メタバースにおけるクリエイターエコノミーと著作権の処理:オープンメタバースも見据えて」コピライト740号(2022)25-29頁、中崎尚「東京大学著作権法等研究会 研究報告(第14回)新たなカタチのコンテンツと知財:NFT、XR (AR、VR)とメタバース」NBL1221号(2022)69-75 頁及びAMTメタバース法務研究会「メタバースと法(第1回)総論:メタバースと法」NBL1223号(2022年)15-23頁参照。首相官邸「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」
    <https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kanmin_renkei/index.html>、情報通信政策研究所調査研究部 情報流通行政局参事官「『Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会』中間とりまとめ」(2023)
    <https://www.soumu.go.jp/main_content/000860618.pdf>、ファッション未来研究会~ファッションローWG~「ファッションローガイドブック2023~ファッションビジネスの未来を切り拓く新・基礎知識~」(2023)
    <https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/fashionlaw_wg/pdf/20230331_1.pdf>等の議論にも参考になる部分がある。
  8. 中川裕志「レクチャーシリーズ:『AIと社会と人間〜ぶつかる・なじむ・とけこむ〜』〔第1回〕サイバネティックアバターのトラスト」人工知能38巻1号(2023)65頁参照。
  9. なお、ブロックチェーンやWeb3については、筆者も関与させて頂いた清水音輝ほか『スマートコントラクトのコードと法律の理論と実務(仮)』(中央経済社)が参考になる。
  10. 小塚荘一郎「仮想空間の法律問題に対する基本的な視点」情報通信政策研究6巻1号(2022)81頁以下、特に86-87頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicp/6/1/6_75/_pdf/-char/ja>
  11. 新保史生「サイバー・フィジカル社会の到来とアバター法」ビジネス法務2022年4月号7頁。なお、「我々の日常生活を仮想空間と現実空間の融合により拡張する『現実世界』として機能させることを目指すものであるため、そこで生ずる問題は現実の被害として私たちの社会生活に様々な影響を及ぼすことになる」ものの「実社会の法や倫理規範がそのまま適用できない場面が増える」とする新保史生「ロボット法-AI・ロボット・サイバネティックアバターと法」新保史生=和田龍麿『公共政策と変わる法制度 (シリーズ 総合政策学をひらく) 』(慶應義塾大学出版社、2023)346頁も参照。
  12. 円谷竜悟ほか「新春座談会Web3・メタバースと企業法務」NBL1233号(2023)13頁〔上田発言〕参照。
  13. 飯村重樹ほか「NFTおよびメタバースについての調査・研究」パテント75巻13号(2022)5-15頁
    <https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf /4109>
  14. なお、関真也「メタバースにおけるオブジェクトのデザイン保護と創作活動への影響―意匠法及び不正競争防止法2条1項3号を中心に―」特許研究75号(2023)32頁は、クリエイターに対する過度の萎縮をもたらすか、という観点を提示している。確かにクリエイターへの過度の萎縮も、権利者の保護の程度の過度の切り下げもいけない、という意味で「過度」を問題視すること(バランスを重視すること)は理解できるものの、必ずしもCA特有の問題意識とまでは言えないのではなかろうか。
  15. 前野孝太朗「VTuberの著作権法上の保護とその限界:肖像権・パブリシティ権・名誉感情等による補完」ひろば76巻2号(2023)44頁。なお、これと現実に存在する人物をモデルとしたアニメ等の作成は全く異なる話である。特殊な事例ではあるものの、東京地判平成24年9月6日判例秘書文献番号L06730607は無断で実在する参議院議員をモデルとしたアダルトアニメの作成について名誉感情侵害を認めた。
  16. 原田伸一朗「バーチャルYouTuberの人格権・著作者人格権・実演家人格権」静岡大学情報学研究26号(2021)53-64頁
    <https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=13178&file_id=31&file_no=1>
  17. 松尾剛行=山田悠一郎『最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務 第2版 [勁草法律実務シリーズ]』(勁草書房、2019)170頁。最高裁判決としては、犯罪報道に関するいわゆる長良川事件(最判平成15年3月14日民集57巻3号229頁)が「被上告人と面識があり、又は犯人情報あるいは被上告人の履歴情報を知る者は、その知識を手がかりに本件記事が被上告人に関する記事であると推知することが可能であり、本件記事の読者の中にこれらの者が存在した可能性を否定することはできない」として名誉毀損、プライバシー侵害等を認定していること参照。
  18. 東崎賢治=近藤正篤「知的財産紛争実務の課題と展望(6)自らの存在を秘したままキャラクターを使用してインターネット上の活動を行う者の知的財産権等の権利保護に関する検討」JCAジャーナル68巻12号(2021)46-54頁参照。
  19. なお、社会としてのメタバースで生きる可能性は、西貝吉晃「『メタバース刑法』の可能性」法セ2023年2月号46頁参照。
  20. なお、関・前掲注7)168頁は純粋的個人的な活動であればある程度継続的に行われることが必要かもしれないが、企業に所属して行う事業活動なのであれば直ちに社会的評価の対象となる場合があるかもしれないとする。なお、「例えばメタバース上のキャラクターが誹謗中傷にさらされたことによって絶望し、現実世界で死を選んでしまう人が絶対に現われないという証拠はあるだろうか。」とする大屋雄裕「メタバースの可能性と限界」法セ2023年2月号2頁も参照。
  21. 前野・前掲注15)46頁
  22. なお、キャラクターの外観に対する投稿が中の人の名誉権や名誉感情は侵害しない可能性があるが、クリエイターの名誉権、名誉感情、著作権法上の名誉声望保持権を侵害する可能性があるとするものに関・前掲注7)170頁がある。
  23. 原田・前掲注16)(「バーチャルYouTuberの人格権・著作者人格権・実演家人格権」)のいう「キャラクターこそがVTuberの本体であって、生身の人間がその背後にいてキャラクターを操作しているわけではない(いわゆる『中の人』はいない)という設定(あくまで建前ではあろうが)を遵守するタイプ」が典型的である。
  24. 「現実世界だけではなく仮想空間内の存在も『本当の自分』であることを認めた上で、仮想空間内の『自分』に対する行為が現実世界の『自分』に対する行為として評価される場合があり得るのではないか」として、アバターに対する名誉やプライバシーの侵害についても、一定の限度を越えた場合には、現実のプレーヤーに対する名誉毀損やプライバシー侵害が成立するとする小塚・前掲注10)81頁及び大島義則「メタバースにおける人格権と表現の自由」法セ2023年2月号36頁参照。この点について、斉藤邦史「仮想空間におけるアバターのアイデンティティ」法セ2023年2月号26-27頁が最判昭和31年7月20日民集10巻8号1059頁を引いて権利能力なき社団・権利能力なき財団の名誉権という構成を検討していることが興味深い。とはいえ、仮に、この構成によって一定のVTuberを法的に保護することでそのような要件を満たすインセンティブを与える、という意義があるとしても、多くのVTuberにとってそのような要件を満たすことが果たして現実的かといった疑問は残るところであり、むしろ所沢ダイオキシン事件最判(最判平成15年10月16日民集57巻9号1075頁)のような議論の方が筋が良いかもしれない。
  25. 三上彩水「VTuberからみるバーチャル上の人格権侵害」情報ネットワーク法学会「ネット社会法務研究会」第9回(2023)報告
  26. 中崎尚「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会第8回『本人(中の人)とアバターの関係性』」(2023)
    <https://www.soumu.go.jp/main_content/000870336.pdf>。なお、関・前掲注7)149頁もアバターを2×3の6種類に分類しており参考になる。
  27. 例えば、原田・前掲注16)バーチャルYouTuberの人格権・著作者人格権・実演家人格権53頁、原田伸一郎「バーチャルYouTuberとして活動する者に対する名誉感情侵害を認めた事例」新・判例解説Watch民法(財産法)239号(2023)
    <http://lex.lawlibrary.jp/commentary/pdf/z18817009-00-032392286_tkc.pdf>、松尾剛行「VTUBERと名誉毀損――メタバースに関する法律問題の一部を考える」ウェブ連載版『最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務』第40回(2022)
    <https://keisobiblio.com/2022/01/25/matsuo40/>等がある。
  28. ANYCLOR株式会社、カバー株式会社「共同声明文」(2022)
    <https://files.microcms-assets.io/assets/5694fd904 07444338a64d654e407cc0e/60de641278e94221910d4a452fc10cd1/%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87.pdf>
  29. 大阪地判令和4年8月31日判タ1501号202頁
  30. 原田・前掲注27)評釈参照。
  31. 松尾・前掲注27)参照。
  32. この点は本連載第3回において説明する予定である。
  33. Cybernetic being「[プレスリリース] 個性と技能の融合:分身ロボットカフェにて 2人で1人!? 共創アバターロボット実験イベントを開催」(2022)
    <https://cybernetic-being.org/activities/202210_co llaborative_avatar_experiment_release/>
  34. 民事事件との関係で名誉毀損としての扱いを否定する斉藤・前掲注24)27頁参照。なお、フェイク動画に言及する小塚荘一郎ほか「新技術と法の未来(1)仮想空間ビジネス」ジュリ1568号(2022)71頁〔茂木発言〕も参照。
  35. 東京地判令和2年12月22日第一法規文献番号29063032及び東京地判令和3年6月8日第一法規文献番号29065053参照。
  36. 例えば、VTuberの「中の人」が、VTuber同士の交流の際に自分の本名を告げたが、ファンに対しては秘密にしていたところ、交流の際に本名を知った人がファンに伝えた等が考えられる。
  37. 石井夏生利「サイバネティック・アバターとプライバシー保護を巡る法的課題」人工知能36巻5号(2021)581頁
  38. 成原慧「メタバースのアーキテクチャと法:世界創造のプラットフォームとそのガバナンス—特集メタバースとガバナンス」Nextcom52号(2022)27頁
    <https://rp.kddi-research.jp/nextcom/volume/ 52>も参照。
  39. 石井夏生利「アバターのなりすましを巡る法的課題―プライバシー保護の観点から」情報通信政策研究6巻1号(2022)10頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicp/6/1/6_1/_pdf/-char/ja>
  40. 小塚ほか・前掲注34)71-73頁〔石井発言〕等も参照。
  41. 東京地判昭和39年9月28日下民集15巻9号2317頁
  42. IoT 推進コンソーシアム、総務省、経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブック0」(2022)
    <https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220330001/20220330001-1.pdf>
  43. 個人情報保護委員会「犯罪予防や安全確保のためのカメラ画像利用に関する有識者検討会報告書」(2023)
    <https://www.ppc.go.jp/files/pdf/cameragazou_yushikisyakentoukai_houkokusyo.pdf>
  44. 前野・前掲注15)48頁が特定の情報についてプライバシー侵害を主張すると、当該情報が事実であると自認することになるというのは、宴のあと事件(前野・前掲注15)41頁)が「事実らしく受け取られる」場合に要件充足を認めていることから疑問が残る。
  45. 上野達弘「メタバースをめぐる知的財産法上の課題」Nextcom52号(2022)11頁
    <https://rp.kddi-research.jp/nextcom/volume/52>
  46. 原田伸一朗「バーチャルYouTuberの肖像権─CGアバターの『肖像』に対する権利─」情報通信学会誌39巻1号(2021)5頁
    <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicr/39/1/39_1/_pdf/-char/ja>
  47. 斉藤・前掲注24)28頁は「仮想空間で行動するアバターの容ぼうが、現実空間でそれを操作する自然人(いわゆる『中の人』)の容ぼうと似ていない場合に、アバターの容ぼうを利用されない人格的利益を自然人が主張できるか。」という問題について名誉感情侵害しか肯定しないようにも読めるところ、これは肖像権の保護法益は名誉感情と通底するという理解(斉藤邦史「肖像情報に関する権利利益の諸相」情報通信学会誌30巻3号(2012年)456頁参照。)の反映と思われる。関・前掲注7)173頁も本人と似ていないアバターの肖像権についてそれ自体に人格はないとして消極的に評価される傾向を指摘する。
  48. 前野・前掲注15)48頁
  49. 荒岡草馬ほか「声の人格権に関する検討―韓国の『音声権』判例を参考に―」情報ネットワーク法学会第22回研究大会個別報告(2022)参照。
  50. 最判平成18年1月20日民集60巻1号137頁
  51. 東京高判平成30年6月13日判時2418号3頁は「氏名でなく通称であっても、その個人の人格の象徴と認められる場合には、人は、これを他人に冒用されない権利を有し、これを違法に侵害された者は、加害者に対し、損害賠償を求めることができるというべき」とする。
  52. この点について斉藤・前掲注24)28頁は明確な議論を展開していない。
  53. ある人物が自分そっくりのアバターや名前を使う場合においてはこの2つが同時に当てはまるが、そうではない場合には一方しか当てはまらない場合もある。なお、CAの世界では「ロボット」等物理空間におけるアバターになりすます事例も発生する可能性がある。
  54. 大阪地判平成29年8月30日判時2364号58頁参照。
  55. リアルタイムに声表情身体の語気を反映するものは中の人との結びつきの度合いが高まるという意味での侵害成立可能性の高まりを指摘するとともに、複数の要素が総合されるメタバースでは本人であるとの誤解が生じにくいと指摘する関・前掲注7)173頁も参照。
  56. 最判平成24年2月2日民集66巻2号89頁
  57. 最判平成16年2月13日民集58巻2号311頁
  58. 原田伸一朗「キャラクターの法的地位:『キャラクターのパブリシティ権』試論」情報ネットワーク・ローレビュー17号1頁
  59. 斉藤・前掲注24)29頁
  60. 同上は「複数の自然人が関与して運営するアバターについては、仮にそのような解釈が可能であるとしても、実態に即した構成と評価し得るか疑問が残る」とする。
  61. 中島基至「判批」(前掲注56最判)法曹会『最高裁判所判例解説民事篇平成24年度(上)』(2015)41頁
  62. 同上
  63. 上野・前掲注45)12頁。なおAR広告とパブリシティにつき関・前掲注7)228−233頁参照。
  64. なお、関連して、パブリシティ権の譲渡性につき、芸能人の事務所への譲渡について、これを肯定しながらも一定の制限を課した東京地判令和4年12月8日裁判所HP参照(令和3年(ワ)第13043号)等も問題となる。
  65. 江間有沙「アバター社会が知情意にもたらすもの」群像77巻3号(2022)293頁

※この記事は会員サービス「InfoCom T&S」より一部抜粋して公開しているものです。

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